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粉々に壊れたココロを拾い集める女たちの本音blog
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柚葉&焔
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濃い人生だねと言われること多し。実は、平凡・平和をこよなく愛する、怯えた子どもであることに気付き、血を吐きながら生きるふたり。
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その言葉を言われたことがある。

たぶん、私がまだとても若い時。感じない心でも、その響きを心地よいと感じた。
私の傷の話をしたその日の夜の電話で、呻くように絞り出すようにそういった。
彼は若く、人生の表面だけしか知らない男の子だった。地獄にいたこともなければ、地獄があることも知らない人。
私はその甘美な響きに酔いながら、醒めた頭の片隅で「この人を解放しよう」と決めていた。私が話したのは、私の人生のほんのちいさな一滴。それだけで、心を痛めて言葉を失い悩む彼。あなたに私は無理だ。

その言葉を言ったことがある。

はじめて心から好きになった相手に。

「愛しているといってみてくれないか?」
そう要請されて。
言葉にした途端、彼がほしいそれと、私がほしいそれが別のものであると気づいた。


この言葉は、重く、苦しく、痛い。
ゆっくりと呼吸を停止させられていくような、意識が遠のくような、甘美な痛み。

わたしは、もっと人生の始まりのころに、その言葉を聞きたかった。
その時こそ、その言葉を心から欲していた。

愛、されたかった。
女としてではなく、その前に生まれ出でた命そのものとして。

執筆者:焔
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