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ある日、ある人とのメールのやりとり。
Rさん:今何してるの?顔見たいな~(絵文字)
私:酒呑んでる
Rさん:えっそうなんだ?じゃあ迎えに行こうか?
私:仕事帰りだから車で来てるし、お迎えはいいです
Rさん:わかった。気をつけてちゃんと代行で帰るんだよ(絵文字)
それから数時間呑んでいるとまたRさんからメールが・・・
Rさん:まだ呑んでるの?どこで呑んでるの?
私:K町
Rさん:じゃあタクシーで迎えに行くよ!
私:大丈夫ですからいいです
数十分後・・・・
Rさん:今、コインパーキングで君の車見つけたよ!車の横で待ってるね(はぁと)
え・・・・・?????
この人は、真冬の深夜飲み屋街のパーキングをひとつひとつ探して回ったんだろうか?
そう考えたらなんだかわからないけど、気持ち悪くなったので返事をせず、その後一時間強過ぎてから呑み会はお開きになり、車へ行くと・・・・・
ほんとうにRさんはタバコを吸いながら私の車の横に立っていた・・。
ちなみに真冬の深夜3時である。しかも平日・・・。
もちろんRさんも翌日仕事がある。
私はこのRさんの友人と付き合ってたことがあるが、Rさんとは一度も関係を持ってないし、メールのやり取りくらいで電話で話すこともなければ、二人で呑みに行く事もない、ただの知り合いだ。
私「ほんとに来てたんだ・・・?」
R「だって・・・心配だったし・・・・それに、少しだけでも会いたかったから・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
成人したいい年の男のすることだろうか?
ちょっと背筋が寒くなった・・・・。
「送っていくよ」
とRさんが嬉しそうに言うので、車を運転してもらって、私の住まいまで送ってもらって、駐車場にきちんと車を停めて、Rさんはタクシーで帰っていった・・・・。
当然手も握らないしキスもしない。
帰りの車中、「呑み会は楽しかった?」「呑んでるときは僕に連絡ちょうだいね!迎えに来るから」などと話した。
翌日、呑んでいたメンバーにそのことを話した。
男性は、
『彼氏じゃないんだろ?うっわーー!ひどい女!!鬼畜ー!』
と言った。
女性は
『断ったのに勝手にしたくてしてるんでしょ?喜んでんならお望みどおりこき使ってやれ(笑)』
と言う。
『家の前で待ち伏せされるよりはいいんじゃない?』
とも言われた。ま、確かにそうだけど・・・・。
待ち伏せはされたことがないが、突然メールが来て
「今玄関に君の好きなお酒置いておいたから呑んでね(はぁと)」
などというちょっとわけのわからないことは以前数回あった。
そういうことはしていただく理由も無いのでやめてください、と言ってそれはしなくなった。
それでも私は、一般の(多分)男性から見たら、『鬼畜』と言われるような行為や行動を時々しているのか・・、と謂れの無い罪悪感を持った・・・。何か変だよなぁ・・・?
私が好きでもない、似合いもしない、サイズも合ってない、もらっても困る高価な洋服を一方的に送りつけられた気分だ。
カタギの世界でカタギの仕事を始めてまだ数年しか経っていないので、プライベートな事はなるべく話さないよう、目立たないよう(もちろん悪い意味で)、考えうる限りの「普通」を精一杯装って孤軍奮闘している。
それでもたまに、 『濃いぃな~』 と言われてしまうことがある。
どうやら、私が過ごした子ども時代やそれ以降の生き方は、あまり一般社会では受け入れ難い事を多く含んでいるらしい、ということも薄々わかってきたので、興味本位であれこれ噂のタネにされないよう『自分のことは話さないほうが良い』と、教わった。そしてその通りにして、なんとかカタギの世界に溶け込む努力をしている。
幸い私は、かなり遠くから誰も自分を知る人のいないこの地方都市に引っ越してきた。
体ひとつで。
私の子ども時代や以前の事を知る人がいない、友達も知り合いも誰もいない生活というのは、不安感よりもお気楽な気持ちのほうが大きく、わりとノビノビと生活できるようになった。と思う。
「どうしてこんな遠くへ引っ越してきたの?」
という質問には、最初はなんと答えてよいのか解らなかったが、ある支援団体の方に教えてもらった。
「いや~好きな人がこっちに転勤になって追っかけてきたけど振られちゃったんスよ~(笑)」
ガハハ、と笑って、「いい人いたら紹介してくださいね~」とか適当にいっときゃいいよ、とのこと。
なるほど。こう答えておけば、「かわいそう・・・」と一瞬は同情の目で見られるけど、それ以上深くは突っ込んで事情を聞かれる事もほとんどない。なので、仕事の面接の時などもずっとそう答えることにしている。
普通より頭が足りなさそうに見られるよう振舞っておけば安心して深くは突っ込んでこない。
ありがたいありがたい。(ま、頭が足りないのはほんとだから苦労はさほどない(笑))
人との距離感、などで躓く事は多いが、カタギの世界は新鮮で中々私には波乱万丈だ。